裁判員裁判や検察官の仕事への理解を深めてもらおうと、横浜地検は21日、高校生が検察官役を務める模擬裁判「検察官甲子園」を開催した。事前に同地検の検察官が指導した神奈川県内4校の17人が参加。学校関係者や家族ら約100人が詰め掛け、同日始まった選抜高校野球に勝るとも劣らぬ熱戦に拍手を送った。
参加したのは、横浜雙葉(横浜市中区)、公文国際学園(同市戸塚区)、県立氷取沢(同市磯子区)、県立厚木(厚木市)の各高校の1、2年生。
男が路上で女性を殴り現金などを奪ったとの強盗致傷事件の模擬裁判で、各校3〜6人が検察官となり、起訴状朗読から論告求刑までを行い、裁判官・裁判員役の司法関係者や教育委員会関係者らが審査した。
被告は「人に会いに行く途中で、現金は自分のもの」と否認したが、被告人質問では「仕事を世話してもらう人に会いに行くのに、その人の本名も住所も知らないのは不自然」など、鋭い指摘が続出。被告役の検察官も思わず言葉に詰まるなど、実際の裁判を思わせる本格さだった。
優勝は、的確な質問が評価された横浜雙葉。論告が際立った氷取沢2年の今井夏希さん(17)がMVPを受賞した。今井さんらは昨年11月から準備を進めたといい、「被告の証言で有罪を立証する点に工夫をした。私一人ではなく皆で一生懸命頑張った。やはり優勝したかった」と涙を見せた。
同地検の井内顕策検事正は「若い世代に対する法教育の一環として実施したが、非常にレベルが高かった」と評価。地検広報によると、事前指導の上、裁判長や弁護人を現役検察官が演じる高校生の模擬裁判は例がないという。
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